新築工事 その⑤
断熱・気密工事

2020年10月31日

ついに最低気温が一桁になりましたね。
合わせて紅葉も進み、佐藤家のシンボルツリーのモミジも綺麗に色づいております。

 


最近の新築住宅には庭がない家が多くなっております。実際、草むしりや枝の剪定、虫の問題はありますが、小スペース(プランターや植木鉢)でも緑があると建物の見栄えがとても良くなるので、興味があれば住宅に限らずお庭のこともご相談下さい。

 さて今回は寒い季節がやってきましたので住宅の「断熱・気密」のお話をしたいと思います。
断熱・気密を身近な物で例えるなら、「服」です。
寒くなると重ね着をしますよね。薄いシャツやトレーナーよりも、モコモコのセーターや厚手のフリースの方が温かくなりますよね。それは体温を外に放出せずに、モコモコの服の中にある空気層に体温を留めておくことが出来るからです。
熱は温かい方から冷たい方に移動します。その熱の移動をなるべく少なくすることを「断熱」といい、住宅ではその材料を「断熱材」と呼びます。
 断熱が良いだけではダメで・・・同じくらい、いやそれ以上に大切なのが「気密」です。
同じく「服」に例えると、防寒着のタグをみると「防風」とかかれた物があります。
 真冬、室内から外に出るときにセーターやフリースを着ていても、更にコートやウィンドブレーカー(ヤッケの方が伝わるでしょうか笑)を着ますよね。
説明するまでもなく冷たい風を通さないように上着を着るという当たり前のことですね。
更に寒くなるとマフラーや手袋を付けその襟元や袖口から風が入らないようにビッタリ閉じたり色々と対策しますよね。
では住宅に置き換えると・・・窓や床、壁、コンセントなどから隙間風を感じていませんか?
どんなに性能の良い断熱材を使っても、冷たい隙間風が直接入ってきてしまっては元も子もありません。(穴の開いたダウンジャケットと例える方もおります。)
この隙間風を防ぐことを「気密をとる」と言います。

隙間がなくなると蒸れるので「換気」が必要になりますがそれはまた後程。

なんとなく断熱・気密について伝わったでしょうか?

住宅会社によって使う材料や工法は変わりますが、それによって当然住宅の性能や価格も変わりますね。断熱・気密は住んでからの光熱費や住み心地(健康)にも直結することなので、住宅の新築・リフォーム共に検討事項の一つと考えておきましょう!

と、断熱や気密の話をすると私はいつもこんなことを考えてしまいます。
近年は住宅性能や設備機器(空調や冷暖房など)を最優先に家づくりをされている住宅会社もあるので、それを見たり聞いたりしたお客様もそこに重きを置いてしまい家づくり全体の計画がズレてしまったお客様にお会いすることもあります。
家づくりに重要なのはバランスです。大事なことを上げればキリがありません。
迷ったときや、悩んだときは一度何のために家づくりを考えたのか立ち返ってみてはいかがでしょうか?
例えば・・・ソーラーパネルを屋根全体に搭載したZEHの家が建てたくて家づくりを始めた方はいないと思います(※ZEHが悪いということではありません)。展示場をまわり沢山の情報(売り込み、誘導)が入り、いつしか自分達の家づくりの優先順位が入れ替わり、住宅性能を望むと比例して予算(住宅ローン)もどんどん上がり、心配になりそれと反比例して、間取りを妥協し、どんどん小さな住宅になり、欲しかったシューズクロークもパントリーもファミリークロークもなくなり・・・よく分からなくなってそこで家づくりを一旦ストップ出来たらまだ良くて、中にはそのまま建築してしまい住んでから後悔しているなんてケース実際にあると思います。

家づくりをお手伝いさせて頂く中で、一切問題なく家を完成できるお客様はめったにおりません。必ず悩みや心配事がでてきます。私はそんなときほどお客様へ「この家は何のために(誰のために)建てようと(リフォームしようと)思ったのですか?」とお話させて頂きます。
悩んだ時は「原点回帰」です。
・・・なんてな(笑)


★最後にライトプラン(新築工事)の標準断熱・気密についてご紹介させて頂きます。
ここから先は興味がないとちょっとしんどいかも・・・興味のある方、もっと知りたい方は続けて読んで下さいね💦 

<天井>
断熱材➡「グラスウール(ブローイング) 厚さ300㎜」
工法➡ブローイングといい、グラスウールという繊維状の断熱材を天井裏に雪を降らせる様に吹込み積層させてゆく工法です。

 


天井裏は狭いうえに天井や屋根を支える木材や電気の配線、空調のダクトなどが複雑にい有り、袋に入った断熱材は形状が決まっておりどうしても隙間ができてしまい断熱されない部分が出ます。実際にリフォーム工事や解体工事時に既存の袋に入った断熱材が移動したり、重なり合っていたりし、断熱されていな部分が見受けられます。
ブローイングは狭い隙間にもエアーで吹き込んでいくためまんべんなく断熱が可能になります。

 


天井の気密は、気密シート(気密テープ)を天井面に張ることで隙間のない施工としております。
(天井面と壁面の隙間は壁面に気流止めを使用。)
<壁>
断熱材➡フェノールフォーム「旭化成建材のネオマフォーム 厚さ40㎜」
工法➡外断熱工法。柱の外に隙間なくネオマフォームを並べていきジョイント部分は気密テープで塞ぐことで、断熱材でスッポリ覆ってしまいます。

 


(オプションで付加断熱工法(外断熱+内断熱)も可能です)
<床>
断熱➡押出法ポリスチレンフォーム「カネカのカネライトフォームスーパーEX 65㎜」
工法➡床下断熱で、一階床の真下に接するように施工してあります。
床下(基礎の中)は基礎パッキンを使い自然換気をしており、空気の滞留を防ぎ乾燥状態を保つようにしております。

外部建具(樹脂窓)トリプルガラス「YKK APW330(真空トリプル)or APW430」

 



断熱性能は、間取りにもよりますがライトプラン標準仕様で建てた場合【UA値0.5w/(m2k)前後】となります。

秋田市は地域区分で4地域にあたり
省エネ基準の0.75w/(m2k)はもとより、ZEH基準の0.6w/(m2k)はクリアし、
目指しているのはHEAT20 G1グレードの0.46w/(m2k)です。
もちろんご要望でG2グレードの0.34w/(m2k)もご対応致します。

ちなみに私佐藤の自宅は0.33w/(m2k)となっております。(半分は自己満足の為です・・)

ライトプラン(新築)の大まかな断熱・気密の仕様は以上ですが、もっと詳細を知りたい方は私佐藤までお問合せ下さい。